みんなで作った地域が主役の「まめってぇ鬼無里発電所」
■どのようなプロジェクトですか?
「NPO法人まめってぇ鬼無里」と「おひさまエネルギーファンド株式会社」と
「自然エネルギー信州パートナーズ」が協力し実現した
地域を元気にするプロジェクトです。
このプロジェクトに賛同して下さった全国各地の方々が
「おひさまエネルギーファンド株式会社」に出資をしてくださった資金をもとに事業展開しています。
「NPO法人まめってぇ鬼無里」と「おひさまエネルギーファンド株式会社」は
「自然エネルギー信州ネット」 (平成23年設立)の会員であり、
「(一社)自然エネルギー信州パートナーズ」(平成26年設立)は
「自然エネルギー信州ネット」を母体として設立された法人です。
信州ネットから誕生した3者が協力してこのプロジェクトが実現しました。 スキーム図
■いつ完成したのですか?
平成27年6月に完成しました。
豊かな自然を活かし持続可能な社会をつくりたいという
「NPO法人まめってぇ鬼無里」の人々の強い想いが動力となり、
「(一社)自然エネルギー信州パートナーズ」とパートナーシップを組んで2年がかりで実現しました。
下は平成27年7月5日に行われた竣工式の様子です。
■どのような施設ですか?
施設の概要とご協力いただいた事業者は以下の通りです。
◆発電所概要
設備名称 : まめってぇ鬼無里発電所
所在地 : 長野県長野市鬼無里字原12470番1
敷地面積 : 1104㎡
発電開始 : 2015年6月25日
◆設備概要
太陽電池モジュール: 京セラKS215P-3CF2CE 215W×198枚
パワーコンディショナー:田淵電機EPU-B-T99P=SF 三相9.9kW×5台
設備容量 :42.5kW
年間計画発電量:45,686kWh
総事業費:1300万円
◆協力事業者
おひさま進歩エネルギーファンド株式会社
NPO法人まめってぇ鬼無里
有限会社長野寿電設工業 小田切電設
■多雪地帯で太陽光発電できるのですか?
当初の計画では、雪の荷重に耐えうることを重視して荷重強度の強い太陽光パネルの選定と鋼材での架台設計をしたため初期コストが高騰し事業採算性が低下しました。
そこで「NPO法人まめってぇ鬼無里」と一緒に検討したところ、「雪に耐える」から「雪を落としてかわす」という発想に変えることにしました。
太陽光パネルの角度をつけることは、夏季の発電量の低下につなりますが、
冬季もできるだけ発電させることにより、年間を通じて発電量を確保します。
しかも架台を単管パイプで自作することにより初期コストを抑えることができ、
メンテナンスもやり易いというメリットもありました。
架台作成と落雪状況の検証を行うため、平成26年12月~平成27年3月の間、
建設予定地に30°と35°の角度をつけた疑似パネルを設置して観察しました。
その結果、パネル設置角度を45°、架台の高さを1.5m(落雪した雪のスペース確保)、自作しやすい2段3列のレイアウトが誕生しました!
今年は初めての冬シーズンを迎えます。まさに雪へのチャレンジです。
どうぞ皆さま、お気軽にお立ち寄り、パネル設置状況と落雪状況を見に来てくださいね!
写真は平成26年12月21日の様子。
コンパネを30°、35°で設置し、冬のシーズン中に落雪の状況を観察しました。
■「みんなで作った」まめってぇ鬼無里発電所には誰が参加したの?
「NPO法人まめってぇ鬼無里」のメンバーにはたくさんの達人たちがいました。
土木建築業、林業、農業、造園業・・・。
皆さんが「鬼無里のシンボル的な発電所をみんなでつくろう」と名乗り出て下さいました。
2015年5月に土木造成工事がスタート。
単管パイプでの架台組み上げは204本の杭を皆さんが人力で打ち込み、
198枚の太陽光パネルも地元のおじちゃんパワーで取り付けて、6月末に設備が完成しました。
また、陽当りのよい農地だった土地を快く貸してくださった地主さん、
電気工事の現場を一手に引き受けてくださった有限会社長野寿電設工業さん、
多雪に耐えるようなシステム設計をプランニングした小田切電設さん、
このプロジェクトにご寄付をいただいた皆さまなど、
たくさんの方々が参加し支えて下さった、まさにみんなでつくった発電所です。
★平成27年5月26日 電柱建中★
★平成27年5月27日
太陽光パネル198枚、パワーコンディショナー5台、ケーブル搬入★
★平成27年5月31日 単管パイプ搬入★
★平成27年6月1日~6月9日 架台組み上げ★
★平成27年6月9日~6月17日 太陽光パネルの取付け★
★平成27年6月18日~6月25日 電気工事・完成検査★
■発電状況はどのように確認してますか?
「おひさまモニター」という遠隔装置にて日々モニタリングしています。常時、パソコンの画面上で発電状況を確認でき、電気系統などの故障・異常が発生した際には、登録したアドレスにメールが届くようになっています。
「おひさまモニター」については、おひさまエネルギーファンド株式会社にお問い合わせください。
おひさまモニター画面
■メンテナンスはどのようにしていますか?
夏季の草刈と冬季の除雪が必要になるので、「NPO法人まめってぇ鬼無里」に委託をしています。
平成27年の夏季は「NPO法人飯綱高原よっこらしょ」からヤギ2頭をお借りして、発電所内の草を食べてもらいました。 人懐っこいヤギだったので親しみやすく愛嬌があり可愛いかったです。ところが、大好物は柔らかい若葉なので伸びてしまった固い葉っぱは食べてもらえずさらにどんどん伸びてしまうこともありました。葦系の植物は固く背丈が高いのと、つる系の植物は単管パイプに巻き付いて伸びてしまので、太陽光モジュールが影にならないように来シーズンは対策が必要です。